<オリジナルの記事> 日経ビジネス 2023/3/13 鈴木 秀和氏
『元日産・志賀氏が語る、大企業とスタートアップのCFOの違い』
日産自動車から産業革新機構代表取締役会長兼CEOとなった志賀俊之氏と記事作成者である鈴木氏どの対談。
<内容>
①日本の大企業では、専門分化した組織の一員として、「サイロ化」された仕事を下から積み上げてキャリアが構築される。つまり、「専門知識は高く深いけれど、隣の業務は知らない、できない」人材になる。
②スタートアップでは、経理だけやっていればいい、というようなわけにはいかず、一人の人が様々な仕事をしなければならない。スタートアップには、求められるスキルがどんどん変わっていくことに対して、自分自身がどんどん、変化できる人材が必要。このため、「専門分化されたチームで、複数人がそれぞれが明確な”自分の業務”をきっちり回せばよい」という姿勢で働く大企業的なマインド、人材は、スタートアップには適さない。
③スタートアップでは、各人の領域を尊重して、それぞれの領域・役割を遂行する上で生じる意見のぶつかり合いをしっかりと議論して納得できる答えに至ることが大切。重要な事柄については、「自分の領域」に拘る、つまり硬直したり、「自分の領域ではない、相手の仕事だ」という風に自分の領域に閉じこもったりすることなく、相手の領域に踏み込んで、自分にとっての個別最適解ではなく、会社全体の最適解を出す必要がある。
④(事業組織をサッカーチームに例えると)大企業では、CEOは選手交代して「強いチーム」を作ればよいが、スタートアップでは個人技を磨き上げることがより大事。
⑤伸びる会社は、役割分担してもカバーしきれないことを全員でやるようなチームになっている会社。
<評者コメント>
一見すると、よく聞く話、誰もが知ってることのようにも思えるけれど、この人(志賀さん)は実際、自分が大企業も中小・ベンチャーのことも「本当に実態を知っている人だな」と感じて、すっと入ってきた記事。
どれもがごもっともな意見、指摘で、中小・ベンチャーの実態を知らずに新事業創造を支援しているような大企業・プレミアム組織の方などにぜひ、一読いただきたい記事。
一方、言うは易し行うは難しというのも痛切に感じます(笑)。