US KNOW Firm & Clubでは、「農業とは、作物が育つ条件にすること」と定義します。では、作物が育つ条件にするとはどういう条件にすればよいのでしょうか?
答えは、小学校で習う「植物は光合成をして育つ」という知識にあります。「植物は、根を張り、水と養分を吸収し、光合成をして育つ」生き物であり、「作物が光合成をする条件」を目指すことで植物が育つことを援けられます。
光合成とは、水や二酸化炭素といった「無機物」から「有機物」と呼ばれる炭素の化合物を合成する化学反応であり、無機物から有機物を合成できる生き物は「独立栄養生物」と呼ばれます。私たち人間を含む動物は、無機物から有機物を合成することができず、有機物を食べなければ生きられないため、「従属栄養生物」と呼ばれています。
植物は、「独立栄養生物」の代表であり私たち従属栄養生物の命を支えてくれています。その植物が有機物を合成する反応である光合成は植物の葉(にある葉緑体)で行われ、光と温度と二酸化炭素がどれくらいあるかによって光合成がどのくらいできるかが左右されます。
このように、植物は光合成をすることにより二酸化炭素と水から有機物を合成できるのですが、植物のからだをつくるためには二酸化炭素と水以外の物質(窒素やリンなど)が必要です。植物がからだをつくるために必要な、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)以外の物質は「養分」と呼ばれ、窒素、リン、カリウムなどがあります(下図)。
養分のうち、窒素は植物の根や葉をつくり、リンは細胞分裂を援け、根を働かさせて葉や実を実らせます。また、カリウムは根や茎を強くして植物に抵抗力を与えます。植物は養分を体外から取り込む必要があり、基本的には根から水と一緒に養分を吸収します。植物が育つためには、からだをつくるための養分が不足せず、しっかりと光合成ができることが必要です。
つまり、植物は養分が必要なだけあって、光合成がしっかりとできればよく育つのであり、「作物(植物)が育つ条件にする」とは、「植物が必要とする養分が吸収できて、光合成がよくできる条件」にすればいいというわけです。
とはいえ、養分を与えすぎると植物がメタボになったり土壌が汚染されたりするため、植物の成長段階や特性、その時々の生育状態に応じて「植物が育ちやすい条件」というのは異なってきます。
US KNOWでは、「農業とは、植物が育ちやすい条件を整える」ことであるという考えのもと、育てている植物の成長段階や特性などに応じて「植物が育つ条件」がどのように違うかを実際に作物を育てながら、みなさまが「植物が育つ条件」を整えるために必要な知識や経験を得ることをお手伝いしています。