第1講座で、US KNOWでは「農業とは、植物が育ちやすい条件を整えること」と考えると書きました。
そこで、この講座では、「植物が育ちやすい条件を整える」こととして、US KNOWの畑部では、具体的にどんなことをすることかをお話しします。
ここで、US KNOW Firm & Clubは、メンバーが「自分でつくって食べることができる」ことをサポートする”「食べる」自立のトータルサポートサービス”をご提供する事業です。ということで、US KNOW Firm & Club畑部活動では、「知識と知恵と自然の力」を使うことで、できる限り必要なモノを減らして簡単な農作物栽培ができることを目指します。
具体的には当クラブでは、農作業を大きく「畝を立てる」「植え付ける」「手入する」「収穫して片付ける」の4作業に分け、これらの4作業を「鍬(くわ)」「鎌(かま)」「ハサミ」「スコップ」という4種類の単純な道具で行うことを基本とします。
下の図は、左から右に向かって植物を育てる生育段階順に4作業を並べた図です。
以下、これらの4作業の概要を、4道具のどれを使うかと共にご説明します。
①畝立て・・・使う道具は「鍬(くわ)」
農作物を育てる第一歩は「畝(うね)立て」。「畝」とは幅50-80cm程度、高さが10cm程度(水はけが悪い場合は20-30cm程度)の「盛り土」のことです。畝をつくることで、水はけをよくし、栽培場所とそうでない場所が区別できます。畝と畝の間は30cmくらいとして、畝の間を歩く一方、畝の上は歩かないようにすることで、作物を栽培している場所の土を踏み固めることを防げます。
一般的には、畝立てをする前後に堆肥やアルカリなどの土壌改良材を入れて耕しますが、US KNOWでは、畑はできる限り耕さずに、畝の上に刈り取った草や収穫残渣などを被覆材(マルチング材)として置いて、草や収穫残渣が腐って土に混ざって「土」ができる自然界の営みを模した「良い土づくり」をするようにしています。
②植え付ける・・・使う道具は「スコップ」
人間の赤ちゃんや小さな子どもは大人に比べると病気をしやすく、か弱い存在です。植物も同じで、発芽したばかりの芽や幼い苗は小さくて弱々しく、虫に食べられて消えてしまったりちょっとしたことで枯れたりします。このため、畝に種をまく「直播(じかまき)」ではなく、小さな容器に種をまいて苗を育てて、丈夫な苗を畝に植える「定植」から農作物栽培がスタートすることも多くなっています。苗を定植する場合は、畝に穴を掘り、育苗容器から抜いた苗を根っこを傷めないように埋めます。
一方、畝に種をまく場合のまき方には「点まき」「筋まき」「ばらまき」などがあり、作物によって適切なまき方が異なります。
出典:https://xn--m9jp4402bdtwxkd8n0a.com/tanemaki-4840.html
③生育中の手入れ・・・主に使う道具は「ハサミ」「鎌」
密生している苗の一部を抜いて密度を下げる「間引き」、支柱やネットに茎やツルを結わえ付ける「誘引」、余分な葉や茎や実を取り除く「剪定/芽かき/摘果」、肥料を与える「追肥」、草を刈ったり抜いたりする「除草」、虫や寒さ・霜よけの布や草をかぶせる「被覆」といった作業があります。
④収穫と片づけ・・・使う道具は「ハサミ」「鎌」
食べごろを見定めて収穫します。収穫を終えた残渣は片づけて、次の作物栽培のための畝づくりをします。
US KNOW Firm & Clubの畑部では、上述した4作業を通じて「基本の4道具」を使いこなせるスキルや農作物栽培の知識、ノウハウを培います。